ライセンスの種類

航空機を飛ばすには幾つかの資格が必要ですが、もっとも基本となるのは国土交通大臣が交付する「航空従事者技能証明」でしょう。つまりこれが「ライセンス」と呼ばれる物です。 航空法では航空機を以下の様に分類していて、それぞれにあったライセンスが必要になります。
・飛行機
・回転翼
・滑空機(上級、または動力フックあり、動力フックなし)
・飛行船

ライセンス取得の方法

一般に航空機のライセンスを取得するには以下の方法があります。
・国内で国土交通省航空局の試験を受け合格する。
・国内で指定養成施設を終了(卒業)する。(飛行機および上級滑空機の場合)
・海外で外国政府発行のライセンスを取得し、日本のライセンスに書き換える。多くの場合は日本の学科試験合格が必要です。

なお動力滑空機=モーターグライダーのライセンスは、飛行機「陸上単発」と滑空機「上級」のライセンスを取ってから、申請により滑空機「動力フックなし」、「動力フックあり」の実地試験に申請合格(試験免除)することができます。
*「航空機」と「飛行機」を同じ意味に捕らえている方が居ますが、使い分けがあります。「航空機」とは、空を飛ぶもののうち航空法で定められたものを指しますが、「飛行機」は「航空機」の中の一つの種類になります。なおハンググライダー、パラグライダー(含むモーターパラ)、ラジコンやドローン、ウルトラライトプレーンは航空機ではありません。

JMGC入会

入会前に、まずは遊びに来ませんか。モーターグライダー、飛行機は決して安くはない遊びです。クラブに入ってから後悔しないためにも、クラブに遊びにきて、判らないことを質問し説明を受けたり、またクラブ員と話をしたりしてクラブの雰囲気を感じて下さい。
そして、体験搭乗をお奬めします。百聞は一見にしかず、まずは乗ってみて入会するか考えても遅くありません。
さあ、空はどんな感じでしたか?貴方はJMGCが気に入りましたか?

練習許可証取得

操縦の練習をするには、「航空機操縦練習許可証」と言う物が必要になります。

(いずれかの航空機について技能証明と有効な航空身体検査証明をお持ちの方は不要です)。練習許可証と言うとものものしい名前ですが、必要なのは身体検査だけです。難しい試験などはありませんのでご安心下さい。ただし、その身体検査はどこの病院で受けても良いと言うものではありません。航空身体検査指定医と云う、定められた病院で受診しなければなりません。
取得方法はこちら身体検査の内容は視力、聴力、レントゲン、血液検査、尿検査、心電図などです。普通に健康な人ならまず合格するレベルです。ただ全ての手続きを済ませ、空港事務所から「航空機操縦練習許可証」の交付を受けるのには、約一か月掛かります。不安がある方は事前にご相談ください。練習許可書が送られてきたら、公式に操縦の練習が出来ることになります。
さあ、これで貴方もパイロットの卵。早速、練習を開始しましょう。

操縦練習許可書
操縦練習開始

練習始めは判らないことが一杯です。クラブハウスに居る人を見ると、みんなベテランパイロット、ライセンシーに見えてしまいますが、実は貴方より1日早く入った練習生と云うこともあります。
JMGCでは飛ぶだけでなく、他のクラブ員との交流も楽しみの一つです。また、クラブ員から聞く体験談・失敗談はとても参考になります。時間が許す限りクラブハウスに滞在して、色々お話をするのも上達への近道でしょう。

目指せファーストソロ

最初は教官と一緒に飛び、一番最初に習うのは基本空中操作です。地上滑走、離着陸は一緒に乗っている教官がやってくれます。
空中に飛び上がったら、教官の指示にしたがって旋回してみましょう。一通り旋回・上昇・降下が出来るようになると次は失速です。怖がることはありません。何があっても安全に対処してくれる教官と一緒に乗っているのですから。
さて、基本の空中操作が出来るようになったら、次は離着陸(タッチアンドゴー)の訓練です。これが結構大変なんです。まあ、離陸着陸が出来ないと話にならないので一生懸命やりましょう。

無線従事者免許

練習が進むと、やがて「ソロ」と呼ばれる単独飛行に出ることになります。始めて一人で飛べるのは嬉しい物ですが、無線も自分でやらなければならないので、無線従事者の資格が必要になります。航空機で使用できる無線の資格としては、「航空特殊無線技士」と「航空無線通信士」があります。出来るだけ早めに取っておくことをお勧めします。詳細はこちら

 

*ファーストソロに出られるまでの期間は、人によって大きく違います。平均的には月に2回(2時間)のペースでコンスタントに練習して2年ちょっとぐらいでしょうか。なるべく間を空けずに練習した方が効率は良いようですが、毎週通うという訳にもいかないでしょうし、天気が悪いこともあります。自分のペースで練習しましょう。

ソロに出ると練習許可書の裏に教官がサインします。
クロスカントリー

さあ、ソロにも出たことだし、そろそろ大利根飛行場を離れて、他の場所へ行ってみましょう。
それがクロスカントリーです。最初は大利根飛行場を出て直線で行って帰ってこれるコースを教官が設定してくれるでしょう。
ところでクロスカントリーは、地上での準備が大変重要です。地図の上にコースの線を引いて、風を考慮にいれて航法計画書を作成します。あとは航法計画書通りに飛ぶのですが、実際はなかなかその通りには飛べません。

学科試験

このころになると、「学科試験」を受けることを考えなくてはなりません。学科試験は毎年、3月と7月、11月にしか行われず試験科目は5科目です。合格すると有効期間が2年間なので、この間に実地試験を受けます。
自分の練習ペースを考慮して然るべきタイミングで学科試験を受けましょう。
なお上級滑空機=グライダーの場合は野外飛行(クロスカントリー)は科目としてありません。

実地試験

学科試験に合格したら、いよいよ「実地試験」に向けてのトレーニングです。実地試験で行う失速などの空中操作を練習しなければなりません。学科試験の内容も、もう一度おさらいして、実際の飛行と関連付けます。
実地試験は航空局から試験官がきてオーラル(口述試験)、フライトを行います。試験はそれなりの準備等が必要でかなり大変ですが、これまでの練習で充分実力は付いてます。リラックスして力を出し切りましょう。

ライセンシー誕生

実地試験に合格すると、国土交通省より「技能証明書の交付通知書」と云うのが送られてきます。一緒に送ってくる国庫金納付書で、登録免許税を支払うと「自家用操縦士技能証明書」と「技能証明書-限定事項」「特定技能審査/確認」と云う3枚のライセンスが届きます。これで貴方もライセンス持ちです。しかし,まだ飛べません。

自家用のライセンシーとして飛ぶには,「第2種航空身体検査証明書」と云う物が必要です。航空身体検査医で受けなくてはならず、初回は脳波検査があり約3万円掛かります。

今、貴方の手元には「自家用操縦士技能証明書」「技能証明書-限定事項」「特定技能審査/確認」「第2種航空身体検査証明書」「無線従事者免許証」の5枚と、これまで培ってきた技量とエアマンシップが揃いました。

これで、あなたはいよいよ自分の力で大空を飛ぶ準備ができたというわけです。

航空従事者技能証明
限定事項
特定技能審査/確認
航空身体証明